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運用と企業年金

運用と企業年金

企業年金というものは、加入者から集めた掛金を即支払うわけではなく、お金を集める時期と支払う時期に長期間のタイムラグが生じます。
集めたお金を、支払う時期まで運用して増やして、それを給付財源にします。
つまり、支給財源は「掛金元本+運用益」となりますから、年金制度のような長期間にわたる制度では、この運用益の比重が高くなります。
運用益を高く見込めば、支払う年金水準に比べて掛金を低く抑えることができます。

401K(確定拠出型)

有名な401Kとは、「確定拠出型」といって、掛金が決まっていて、給付額は運用成績次第で変わります。
運用に失敗したら給付額が減るわけですから、積立不足という概念ありません。
つまり、運用環境の変動に影響されません。

とはいっても、運用環境が悪化したら、その不利益を被るのは加入者(受給者)自身です。
運用環境の変動に影響されないのはあくまでも制度ということです。
言い換えれば、運用リスクを負うのは、加入者または受給者ということです。

確定給付型

逆に、「確定給付型」の年金は給付額が決まっている年金です。
給付額が決まっているとすれば、掛金は運用益を見込んで決めることになります。
そうすると、あらかじめ運用益の率を決めておかなければなりません。
これが「予定利率」です。

したがって、確定給付型の年金制度では、運用益が予定利率より低くなれば、積立不足が生じることになります。
そうなると、給付財源確保のために積立不足の穴埋めが必要となります。
その穴埋めは、掛金の追加という形で現れます。
企業年金では、通常、掛金負担は企業ですから、追加の掛金を支払うのは企業です。
言い換えれば、確定給付型の企業年金とは、運用リスクを企業が負う制度といえます。

どちらが良いのか?

確定拠出型と確定給付型、どちらが良いかといえば、一概には言えません。
日本人の性格的には、リスクと取る確定拠出型よりも確定給付型の方が安心できると思います。
その代り、自力で年金を増やすということはできません。

企業にとっては確定拠出型の方が運用リスクが回避できて安心です。
しかし、企業としても、従業員の立場に立ったらどうかという問題を考えると思います。

私の実感では、確定給付型の企業年金の方が普及しているように感じます。
しかし、多くは予定利率を低くした「渋い制度」にして、リスクを小さくしているようです。
予定利率を低くすれば、掛金を上げない限り給付水準が低くなります。

しかし、時代を考えると仕方がないかもしれません。
企業年金の幸せな時代は終わったのだと思います。
今後は、極力運用リスクを軽減しながらも、社員の福利厚生を最小限守るという時代になっていくのでしょう。

2015.6.14

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