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年金額計算式からわかること②

年金額計算式からわかること②

年金は1ヵ月単位に分解できる

年金額計算式を見ると、年金制度は1ヵ月単位に分解して捉えることが可能であることがわかります。
年金加入の最小単位は「月」ですし、年金額の計算式も要約すれば「単価×月数」です。
老齢基礎年金の単価は毎年度改定される「満額の基礎年金額」480月分の1になり、老齢厚生年金の単価は「平均標準報酬額×乗率」です。

老齢基礎年金の場合

平成26年度の満額の基礎年金額は、772,800円ですから、月単価は1,610円、1ヵ月保険料を払えば、1,610円の年金が増えることになります。
平成27年度は、基礎年金額が0.9%引き上げられ、780,100円になりますから、年金額の月単価は多少上がります。
そうなると平成26年度に保険料を納めて、月1,610円増えると思っていた金額は約1,627円に書き換えられることになり、このように毎年度微妙に変わるので、あくまでも目安ということになります。

老齢厚生年金の場合

老齢厚生年金の計算式(正規の計算式、平成15年度以降)は、
「平均標準報酬額×乗率(5.481/1000)×月数」
ですが、「平均標準報酬額」を算出するためには、その期間の総額をその期間の月数で割りますよね。

ということは、同じ計算式の中に「×月数」と「÷月数」が同居しているわけで、「平均標準報酬額」を「その期間の標準報酬額の総額」に直せば、「×月数」は不要になります。
つまり、「その期間の標準報酬額の総額×乗率」です。

ということは、老齢厚生年金の年金額は、加入期間中の「標準報酬額×乗率」をすべて足しても計算できるはずです。
この場合、「単価×乗率」という計算式が当てはまらなくなります。

厚生年金では標準報酬月額や標準報酬額ごとに単価が決まりますから、これが異なれば、単価が変わってしまいます。
ですから、わざわざ「平均」を算出することによって、「単価」を一定させるのです。
とはいえ、年金額計算のこのような構造を知っておくと意外と便利です。

これまでの加入期間分の年金額を年金定期便や年金事務所でもらった年金見込額等によって把握されているのであれば、これから増える年金額の計算は、あくまでも目安額になりますが、比較的簡単に計算ができます。

例えば、標準報酬月額30万円の人が、今月1ヵ月経過すれば、年金額は今までの額に「30万円×再評価率×乗率」の分だけ加算されることになります。

乗率は「従前額」の計算式ではなく、正規の計算式では5.481/1000、再評価率は毎年度変わりますが、平成26年度は0.962です。
そうすると、5.481/1000×0.962で、約5.27/1000。
現在の標準報酬月額に約5.27/1000掛けた額=1,581円が1ヵ月経過ごとに増えていくことになります。

賞与が支給されれば、標準賞与額(実際の支給額を千円未満切り捨てた額、1回の賞与の上限額は150万円)に約5.27/1000掛けた額=が増えることになります。
例えば、標準賞与額が50万円であれば、2,635円増えることになります。

厚生年金は総報酬制で「賞与も込み」ですから、1年を単位にすればもっと計算は簡単になります。
年収(標準報酬月額×12月+標準賞与額の合計額)が460万円であれば、1年経過したことによって、年金額は460万円×5.27/1000=24,242円増えることになります。
仮に40年間年収が同じだとすれば、24,242円×40年で約97万円です。

この額は、私が実務で認識している現在年金を受給している団塊世代以降(団塊世代以降は乗率は同じ)の平均的な老齢厚生年金の額より少し低いです。平均的には110万円〜120万円ぐらいだと思います。

これは、おそらく賃金の再評価(賃金スライド)というシステムの影響だと思います。
現在、再評価率は0.962と1を切っていますから、実際の報酬額が割り引かれる形ですが、もっと過去は逆に例えば昭和40年ごろは7.168とその当時の報酬額が約7倍に引き上げられます。
当然、その分賃金水準が低かったはずなのですが。
それから、現在すでに年金を受給している世代の人たちは、その加入期間に賃金カーブが今より急こう配だった時代がかなりの程度含まれているはずです。

つまり、再評価した平均年収が、古い世代では今の現役世代を基準とした、平均年収よりは高くなるのではないかと思います。
古い世代ほど年金制度や賃金制度の「古き良き時代」を多く含んでいるということでしょうか。

老齢厚生年金の方も、あくまでも目安で、やはり年度ごとの年金額改定(再評価率表の書き換え)が影響するので、将来受給する年金額とは誤差が生じます。

2015.3.5

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