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年金額 その2(老齢厚生年金の計算式①)

年金額 その2(老齢厚生年金の計算式①)

老齢厚生年金の年金額の計算式は、老齢厚生年金のページで、次のように簡略化して紹介しました。

  • 老齢厚生年金の年金額=平均報酬額×乗率×加入月数

この計算式は、正確に紹介すると複雑になってしまうので、老齢厚生年金の「報酬比例年金」としての性格を理解してもらえる程度まで簡略化したものです。

この式で、老齢厚生年金の年金の月単価が「平均報酬額×乗率」になること、厚生年金の別名「報酬比例」の意味が、年金の月単価が報酬比例という意味であること、加入月数も年金額形成の要素であることがわかります。

そして、もうひとつ、年金額が支払った保険料に連動して決まるわけではなく、保険料の元となった「報酬」に連動して決まることがわかります。
このことは、年金の世代間格差を考える上で重要ですから覚えておいてください。

厚生年金の保険料率は時代によって変わりますが、保険料そのものと年金額は連動していないわけですから、保険料率の高い低いは年金額に直接影響しないということです。
そして、保険料率は時代の経過に伴って上がって行きますから、それだけでも若い世代の方が不利ということが言えます。

話がそれました。今回は老齢厚生年金の計算式がテーマです。
ここでは、もっと詳しく、正規の計算式を紹介しましょう。

老齢厚生年金の計算式

(A)平成14年度以前の期間
 平均標準報酬月額×7.125/1000×加入月数(平成15年3月まで)
(B)平成15年度以後の期間
 平均標準報酬額×5.481/1000×加入月数(平成15年4月以後)
老齢厚生年金の年金額=A+B

なお、昭和21年4月1日以前生まれの世代は、A、Bの計算式における7.125/1000と5.481/1000という数値が年配者ほど高くなっています。

計算式が2つに分かれているわけ

AとBの計算式のはじめの「平均標準報酬月額」と「平均標準報酬額」、「月額」と単なる「額」の違いがあることに注意してください。
この二つは「月」があるかないかで字ずらは似ていますが、大きな違いがあります。

この二つの用語の違いは、平成15年度の「総報酬制」の導入に起因しています。
「総報酬制」とは、賞与も保険料徴収及び年金額の対象とする制度です。
平成14年度までは、賞与は特別保険料といって、通常の保険料率よりも低い率(5/1000)で保険料が徴収されましたが、年金額には反映されていませんでした。

つまり、平成14年度までは年金額の計算要素は月給に限定されていたので、年金額の計算式も「月額」になり、平成15年度以降は賞与も含めるので「月額」ではなく単に「額」となったわけです。
そして、社会保険制度では、実際の賃金や賞与を切の良い額に置き換えた「標準報酬月額」、「標準賞与額」を用いますので、冠に「標準」がつきます。

まとめると、「平均標準報酬月額」は平均給与(月給)で、「平均標準報酬額」は賞与込み平均給与ということです。

乗率が、平成14年度までは「7.125/1000」、平成15年度(総報酬制導入後)以降は「5.481/1000」となっているのも、総報酬制への移行に伴う変化です。
総報酬制導入当時、厚生年金加入事業所全体の平均賞与額は年間で給与の3.6ヵ月分でした。したがって、給与に賞与を乗せると、月額は給与の1.3倍の額になります。
これは保険料徴収基礎額や年金額算定のベースが、それまでの1.3倍になるということなので、保険料率も年金計算の乗率もそれまでの率を1.3で割った率になりました。

ところで、老齢厚生年金の計算式は、何が複雑かというと、表面上は2つに分かれているぐらいです。しかし、本当の複雑さは計算式に表れてはいないのです。
老齢厚生年金の計算式の本当の複雑さは、「平均標準報酬月額」「平均標準報酬額」の中に隠れてしまっているのです。

次回に続く

2015.2.19

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