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平成27年度年金価額

４月になり、今年度の年金額が改定されました。

特例水準の解消とマクロ経済スライド初の実施

今年度の年金額の特徴は、「特例水準」の残り0.5％分が解消されたことと、制度発足以来初めて「マクロ経済スライド」が発動されたことです。

「特例水準」とは、すでに説明したように過去に物価が下落した年度において年金額を引き下げなければならないところを据え置いていたことによる「つけ」であって、平成26年4月時点で実際に支給される年金額は本来水準よりも2.5%高い水準になっていました。
これを、平成26年10月に１％、平成27年4月に１％解消（年金額の引下げ）し、残り0.5％が今年度に解消されることになりました。

「マクロ経済スライド」も繰り返しになりますが、物価や賃金の上昇率よりも低い改定率で年金額を改定し、長期的に年金支給水準を引き下げていこうとする制度です。
具体的には本来の改定率から「調整率」と呼ばれる率を差し引いて改定率を決めます。
この「本来の改定率」も、物価上昇率よりも賃金上昇率の方が低かったため、物価上昇率よりも幾分低くなっています。
平成16年改正で、それまでの物価スライド制、賃金スライド制が改められたためです。
物価上昇率は、2.7％だったのに賃金上昇率がそれより低かったため、「本来の改定率」は2.3％になりました。

「マクロ経済スライド」の調整率は、制度発足当時は概ね0.9％程度になると言われていましたが、少し前の報道では１％前後になるのではないかと言われていました。実際には、平成27年度は「調整率」が0.9％になりました。
特例水準解消分とあわせて1.4％分が本来の改定率2.3％から差し引かれて、平成27年度の年金額は前年に比べて0.9％上がることになります。
0.9％上がるといっても、物価上昇率は2.7％ですから、年金の実質的価値はかなり下がったことになります。

平成27年度の年金価額

老齢基礎年金：780,100円

加給年金額
本体：224,500円
配偶者特別加算：165,600円（昭和18.4.2以降生の場合）
配偶者加給合計：390,100円（昭和18.4.2以降生の場合）
子の加算３人目以降：74,800円

振替加算：妻の生年月日に応じて次の通りです。

中高齢寡婦加算：585,100円

経過的寡婦加算：生年月日に応じて次の額になります。

　
2015.4.5